大学院受験を考えておられる方へ
 ~誕生から25年、プラズマと原子分子をキーワードに幅広く研究を展開~

研究室を構えてから25年もの年月が経過しました。現在は「プラズマ中の励起状態の生成消滅」「プラズマの発光分光計測」を中心とする「プラズマ理工学」の分野、および中性粒子の希薄流が支配的な「超音速弱電離プラズマの基礎」の分野で、基礎研究を進めています。

私も年齢的に、もはや中堅以上の研究者であると書かねばならないし、実際にそうでなければならないと思います。しかしいまでも出来るだけ、上から目線ではなくて対等に、学生のみなさんと研究の議論はもちろんのこと、人生論も議論したいと思っています。研究室に所属する学生の方には、私の共同研究者として活躍して欲しいと思います。もちろん、最初はみんな初心者。私たちと一緒に研究をしましょう。昨年度から、少しですが研究費もコンスタントに取れており、その意味でも一時期に比べてそこそこ良い研究環境になってきたと思います。

研究分野
 ~新たな理工学の境界領域への挑戦~
 物理学・化学・材料工学・機械工学・電気工学・原子力工学・宇宙工学・環境工学
 ~プラズマ・レーザー・原子分子分光・同位体分離・希薄流体・モンテカルロ~
 ~溶融塩・電気化学・乾式再処理・EXAFS・中性子回折・分子動力学法~

プラズマ内部の励起状態の生成消滅を理論的に数値モデル化して、この結果を簡単な発光分光計測と組み合わせると、プラズマを特徴づける種々の値(電子温度・密度、など)を求められるのでは? という研究を、特に進めています。原子分子の物理学が基本ですが、励起状態のモデル化では化学のセンスも必要です。

また、最近では、プラズマジェットの超音速加速現象にも、興味を持って研究を進めています。こちらも、基本的には電磁気学や流体力学を基本とする物理学ですが、機械工学や電気工学のセンスも必要です。

「面白い」と思えば、種々の分野の知識を総動員して取り組めるのが、プラズマ研究のいいところです。いろいろの分野の知識が必要になるときに、私の個性・特長が出てくるのであろうと考えるようになりました。

以前活躍してくださったスタッフのもう1名~松浦助教~は、2015年4月に東京都市大学に栄転されました。私も松浦先生と一緒に日本各地のシンクロトロン放射光施設のユーザーとなって、高品位X線を応用してEXAFSという手法により液体のミクロ構造を調べる研究に関わることができました。また、理論的に分子動力学法という、電子・イオンの運動を文字通り1つ1つ調べるような手法により、研究を進め、実験・理論の両面から、放射線物理や材料工学、電気化学の学際領域に取り組むことができました。御栄転後も、様々な形で共同協力研究を進めていければと思っております。

以上のように、理工学を幅広く研究しています。特定の分野や既定の枠内にとらわれず、幅広い分野に興味のある方に適した研究室といえると思います。

これまでのOBの出身学科
 ~種々の学科から~

このような研究室のスタイルは、今まで私たちの研究室で活躍し卒業した歴代のOBの出身にも伺うことができます。物理学科、応用物理学科、化学科、電気電子工学科、機械工学と、多岐にわたっています。出身大学も多岐にわたり、東京工業大学、東京理科大学、東京都立大学、電気通信大学、明治大学、東洋大学、宮崎大学、東京農工大学、横浜国立大学、学習院大学、岡山大学、早稲田大学、青山学院大学、神戸高専、立教大学、筑波大学、日本大学、大分大学、熊本大学、中央大学、北里大学、群馬高専、ほか(順不同)、となっています。

要するに、どのような分野を学部で学ばれた方にも、活躍していただける研究室であると思っています。